あぁ・・・空・・・
ムカつく位に青いです
彼女と彼と青空と
5*驚き
むっすーーーー。
「何でお前がマネージャーなんだよ」
「アンタこそ何で部員なの?」
さっきからずっとこんな感じ。
お互い顔を合わせないし声には棘が含まれている。
あー・・・そーいえば仲悪いんだったよね・・・。
教室でも言い合いしてたって聞いたし・・・。
どーにかならないのかなぁ?
空気が悪くて仕方ないよ・・・。
「・・・チッ。栄口!!柔軟手伝ってくれ」
「えっ・・・あぁ!うん」
機嫌悪そうに俺を呼ぶ阿部。
うわー・・・怒ってる・・・絶対怒ってる。
機嫌悪いときの阿部ってあんま関わりたくないけど柔軟だから仕方ないしなぁ・・・。
チラッっとさんの方を見るとさんも先生に仕事がないか聞いてるみたいだった。
「ハイ!じゃぁちょっと休憩しましょっ!!」
監督の声がかかって全員がベンチの方に向かう。
咽がカラカラで体が水分を欲していた。
それは俺だけじゃなくて他の皆も同じだと思う。
「栄口。俺ちょっと水道に行ってくる」
「うん。どーしたの?」
「いや。顔洗ってきてぇから・・・」
「わかった。じゃぁ先行ってる」
阿部と別れてベンチに向かうと皆篠岡から水分を受け取って飲んでいた。
ってアレ・・・・・・?
は・・・・?
「なぁ篠岡。どこ??」
「えっとちゃんは多分今水道のところで洗濯してると思うよ?」
・・・・・・・・・・あー・・・・
うわぁ・・・ユニフォームどろどろ・・・。
しかもよく見ると破れている所もある(あとで縫っとこう)
そりゃそーだよね・・・皆頑張って練習してるんだもん。
いーなぁ・・・野球できて。
アタシも男子なら絶対野球するのに。
どーして女なんだろ・・・いや・・・女でもいいこととかあるけど!!
今日はまだ少ししか練習見てないけど・・・何ていうか凄かった。
大変そうだとは思ってたけどここまでとは・・・。
なんせ練習量が半端じゃない。
アタシなら絶対に途中で力尽きてるもん。
そー考えると・・・アイツ結構凄いのかも・・・。
「おいコラ。なに人のユニフォーム見てんだよ。
サボるなマネージャー」
・・・・・・・・・・・・・・
前言撤回
「サボってませんー。アンタこそ練習はどーしたの」
「アホ。今休憩中」
あぁ・・・そっかもぉそんな時間か。
「つかユニフォーム凝視すんなよ。お前変態?」
「うるさいタレ目大魔王。エロい顔しやがって・・・。
アンタなんか顔が変態じゃん」
「はぁ!?何言ってんのお前!!失礼すぎだろ!!」
「アンタもな!!!!」
しばらく睨み合ってから同時に顔をそらす。
あぁ・・・何でアタシさっきこんなやつのこと凄いって思っちゃったんだろ。
きっとアレだ。
洗濯の神様がアタシを変にしたんだ!!
あぁ神よ貴方はどこまで無慈悲なのですかコノヤロー。
頭の中で色んな思いをめぐらせてもう少しで
お前精神科行ってこいな状態になりかけた時水が出る音が聞こえた。
ふっと現実に引き戻された感じになって音のしたほうを見ると
アイツが顔を洗っていた。
「あーぁ・・・何するのさ!!もぉそこ使えないじゃん!!」
「年頃の娘が父親に言うような台詞をはくな!!
どこまで失礼なんだよお前!!」
失礼じゃなくて正直なんだよ!!!!!
あぁぁぁぁぁっ!!
今なら分かるよ!!!そんなこと言う娘の気持ちが!!
今なら私分かるよ!!!
「なぁ今俺スゲェ悪いこと思われてるような気がするんだけど気のせいか?」
「ギクッ!!!なっ・・・何言ってるの!?思ってるわけないじゃん!!」
「絶対思ってただろ!?
つか口でギクッって言うな!口で!!キモイから!!
−−−−って!!そーじゃなくて!」
「なっ何?」
「これ全部お前が洗うの?」
そういって洗濯物の山を指す。
いきなり何言うんだこの人は・・・・?
「そーだよ?当たり前じゃん」
「篠岡は?」
「千代ちゃん?千代ちゃんは他の仕事するの!これはアタシの仕事!!」
「ふーん・・・」
何?急に静かになって・・・・・。
静かなコイツって何かキモイなー・・・・・。
そう思いながら見てるといきなり阿部・・・・だっけ??
(名前覚えてない)がこっちを見る。
えっ!?心読まれた!?
だったらヤバイと思って(心だけ)戦闘態勢に入ったけど
アイツの口から出てきた言葉は予想もしない言葉だった。
「スゲェな・・・全部するって・・・まぁ頑張れよ」
頑張れよ頑張れよ頑張れよ・・・(エコー)
ってえぇえぇぇぇぇええぇぇっ!?
頑張れよって言いました!?嫌味もなく!?
どーして!?何かが頭に降臨したのか!??そーなのか!?
一人で混乱してたら「じゃぁ練習始まるから行くわ」って言ってグランドに戻っていった。
・・・・・いやいや!!思ってないからね!!
ちょっといいやつだなんて思いもしなかったからね!!
うん!!
ホントに!!!
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