結局自分が悪いのですが



これは・・・





彼女と彼と青空と
26*自覚 えー、なんという成り行きなのでしょうか・・・。 数学が苦手、というか破滅的に理解が出来ていない ということが花井と阿部にばれてしまいました。 当然アタシは欠点です、赤点です、バンザーイ。 そんなこといってる間に、再テスト2日前。 あはは、数学?もぉソンナノシラネェヨなーんて諦めていたのですが そうも言ってられないみたいです。 なぜならば、目の前に阿部様がいらっしゃるから。 あの後阿部は花井に「阿部数学できるだろ?教えてやれよ」 といわれて、アタシの全力拒否など聞きもせず 「おう」という返事だけで会話を終わらせてしまった。 おうじゃないわよこのたれ目!!! 部活といえばミーティングのみらしいので。 まぁ監督に言えば後でしごかれるけど大丈夫だろと花井はいった。 いやいやいやいや、全然大丈夫じゃないよ。 絶対しごかれるのアタシだけだから!! というか監督にしごかれて平気な女子なんかそんないってば!! 改めて花井がアタシをどう見てるか分かった瞬間でした。 「じゃぁとりあえず始めるぞ」 「・・・・・・オネガイシマス」 気のないカタコト返事が気に入らなかったのか阿部ににらまれた・・・! うぁ、怖い・・・!!間違えたら頭たたかれそう!!! てかなんでアタシと阿部二人っきりなの? 誰か居てくれてもいいじゃん! 教室の中には誰も居ないよ!?寂しい! というかあの日以来、阿部と二人になるとどーもこう・・・ 心臓の調子がよろしくないというか・・・。 「おい」 「わひゃぁ!?ごごごごごめんなさい!!!!」 「はぁ!?なにが!?」 「えっ、あ、いや、なんでもないです、気にせずに続きをどうぞ」 焦ったー。 いきなり声かけられるからビックリしたじゃんか。 「?・・・とりあえずお前、どこから理解できてないんだよ。  いいか、正直に言えよ、嘘偽りなく」 「何でそんなアタシが嘘つくみたいな言い方するのさ!?  そんな念押さなくても分かてるよコノヤロー!!」 そんなに信用ならないか!?そーなのか!? まぁ確かにちょっと嘘ついて範囲狭めようとか考えたけど! ・・・・・・・・・・・・かっ、考えただけだもん!! 実行してないからいいんだよ!! そんなことは決して口には出さずにアタシはきわめて明る気に・・・ 身を小さくして答えた。 「えーっと、実際二次方程式すら危ういかなぁみたいな?」 自分で言ってて情けなくなる。 阿部はすぐに怒鳴りつけてくるかと思ったけど下を向いて静かだった。 不思議に思いながらも、なんとなく口を出せなかったのでアタシも黙る・・・。 ・・・・・・・沈黙。 少したつと阿部は顔を上げて、まじめな顔で話し出した。 眉間にしわがよっている。 あぁ、きっとよくないことを言われる・・・!! 「俺、思うんだけどな・・・。  お前一回ジュラ紀からやり直したほうがよくねぇ?」 「ジュラッ・・・!?  アンモナイトの世界じゃねぇかぁぁぁぁぁ!!!  そこまで退化してないわ、アタシの脳みそは!!  もっと先を生きてるよ!!!」 「あぁ、もぉいいよ、じゃぁ白亜紀。白亜紀でいいだろ?  そんで生まれた瞬間に隕石が落ちてきて  恐竜と一緒に滅亡することを俺は望むね、地球のために」 「そんな人類さえ居ないような時代に アタシを放り出さないでください!!!!  第一なんだ、地球のためにって!!  最悪の死に方じゃんかそれ!!!」 「じゃぁワンランク下の恐竜に食べられて終わりは?」 「どうやってもアタシを殺したいのか貴様は」 ムッキー!!!腹立つ!! 何でアタシは人類誕生に行き着けないの!? 人類外だとでも言いたいのか?えぇ?このたれ目さんよぉ! というかいつからコイツこんなこと言うようになったの!? 昔はもっといい子だったのに!! 誰の影響だよ全く・・・・・・・・・・・アタシか? いや、多分担任だ、うん。 そーいう事にしといて、お願いだから。 「ま、冗談はさておき・・・だ」 「冗談に聞こえなかったのはアタシだけですか?」 「お前は基礎の基礎から教えていくからな。  二日間でしっかり覚えろよ」 「無視かよコノヤロー」 「よし、じゃぁ始めっぞ!」 「イエッサー。  あぁもぉどっからでもかかって来いっつーんだ・・・」 あれからいったい何時間たっただろう。 今目の前に居るは計算が合わないとうめいている。 ノートを覗き込むと理由は分かった。 公式が違うからお前・・・。 「、そこ2aだから。  お前aしか計算してないだろ」 「は?2a?  ・・・・・・・・あぁ、そっかなるほどなるほど。  了解、あんがとー」 「おう」 そうしてまた問題を解き始めるを ぼーっとながめる。 数学が本当に破滅的な点数だったから こいつに数学教えるのは大変だなんておもってたけど実際は違った。 教えればそれなりに理解するし どっちかっつーと物覚えは人よりもいい方だろう。 けど漫画みたく一発で完璧とか そんなハイパー人間じゃねぇから計算間違いだってするし悩むときは悩む・・・。 たとえばさっきの公式。 あと少し前は3×5を18って書いてたな。 ・・・・・・・その時は本当に大丈夫かコイツ なんて思わず疑っちまったけど・・・。 まぁなんだかんだで勉強は順調だ。 この調子だと今日中に終わるかな・・・。 多分コイツは数学が出来ないんじゃなくって めんどくさいから計算をしないんだろう。 数学の授業中は寝てばっかだし・・・。 「阿部!阿部!一通りここの問題できたよ!  答え合わせしてー!」 「ん、ノート貸してみろよ」 「はーい、どーぞ!!」 渡されたノートをと答えを交互に見て答え合わせをしていく。 ドキドキするような、わくわくするような顔で がこっちを見ていて 不覚にも、本当認めたくないけど、それが可愛いと思った。 ハァ・・・俺、なに考えてんだか・・・ 「よっしゃ、ここまでは全問正解だな」 「わっほぉい!天才だアタシ!」 「あー、そーだな、天災天災。  じゃぁ次、こっからここまでやれ」 「ちょっ、今、字違ったんじゃ・・・!!  ていうかまた?少しは休憩とか・・・」 「ここが終わったら休憩にしてやるよ」 「おっしゃぁ!任せとけ、たれ子!!  すぐに終わらせてやるからな!!」 「誰がたれ子だ、誰が!  妙なあだ名つけんじゃねぇよ!」 そういって問題を解きだす。 俺はまた暇になったから自分の考えにふける。 あの変質者の事件があったあの日。 不覚にも思い知らされた。 俺・・・俺は・・・・・・・。 こんな馬鹿のことが好きだったのか・・・ 思わず頭を抱えたけど、でも嫌じゃなかった。 むしろ納得・・・みたいな感じか? これで普段の変な気持ちの正体も分かったし やけにコイツを気にする自分の行動理由も分かった。 あー、すっきりさっぱり、じゃぁはいお終い。 じゃねーんだなぁ・・・。 正直自分の気持ちが分かったところで、どーするよ俺、みたいな感じだし・・・。 急に態度変わったって気持ちワリィだけだろ。 あー、あほらしい・・・俺こんなキャラだったか? まぁとりあえず今は特に何も考えないで 今まで通りにしていこうか、とか考えてる。 その方がいいだろう。 「うおっしゃ阿部ー!見たことかー!  出来たぞコノヤロー!答え合わせしろー!」 「何でそんなにえらそうなんだよテメェは。  休憩取り消すぞ!」 「あっ、本当調子乗ってすみませんでしたァ!!  取り消すとか言わないでくれー!」 ・・・・・・・本当、何で俺コイツが好きなんだろう back  next