そんなに驚くべきことですか?
というかキミタチうるさい
彼女と彼と青空と
25*成績表
あの事件からすでに3日ほどたちました。
今日もアタシは元気に大好きな睡眠をとっております。
授業中?そんな野暮なことはきかないで!
事件があった次の日は本当大変だった。
朝教室に入ったとたんクラスメイト達に質問攻め。
おいおいお前らアタシを殺す気ですかコノヤローな勢いで詰め寄ってきて、
まとまりもなくただ自分の気になることを聞いてきた。
くそぉ!そんないろんな方向からいっきに喋るな!
あなたたち何言ってるのか全く分かりませんから!!
うちのクラスのやつらはアタシを聖徳太子かなにかと勘違いしてるんじゃないだろうか。
本気でそんな事思っちまったぜ。
というか情報がどこで、いつもれたかも分からないよ!
何で次の日には皆知ってるの!?あれあったの夜だよね!?
うちの学校どれだけ情報網広いんだよ!!
まぁそんなこんなで質問攻めから開放されると・・・・・
担任からの呼び出しキター☆
まぁあれは呼び出しというか強制連行だな。
頬っぺた引っ張られて職員室に拉致られたからね!!
はいっ!暴力反対!!!!
え?説教?あぁ、はい、バッチリされてきました。
さんげっそりだよ・・・。
それが終わって教室に帰ろうとすると廊下で聞こえるヒソヒソ声。
「ほら、あの子が」「あぁ、あの」「凄いよねー」
「つか男倒したんだろ?」「マジで?可愛くねぇー・・・」
うっさいそこ!聞こえてる!!
つか可愛くないのなんかわかってるよ!!今更いうな!!
まぁその時は、たまたま近くにいた阿部がこっちに来て
頭軽く叩いて「気にスンナ」って言ってくれたんだけどね。
うん、なんか大丈夫な気がした。
あー、そんな感じの約3日間。
本当イライラしたなぁ・・・。
人なんて飽きやすいものだから
日がたつにつれてそんなことも少なくなっていったんだけどね。
今は、結構落ち着いてきたって感じかな?
だからアタシはゆっくり寝れるんだよ。
いや、寝れるはずだったんだけどね・・・。
「あっりえねぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
こんなうるさいヤツ横で寝れません!!
教室に響いた声に驚いてクラスメイトたちが何事かとこちらに視線を向けるけど
そんなことは気にした様子もなく。
・・・・・・・・というよりもむしろ気づかない様子で
水谷は顔を青くさせてカタカタと小刻みに震えている。
ちなみにその手にはなにやら紙が握られていて握りすぎて破れてしまいそうだった。
アタシはその紙に見覚えがあった。
それは今日クラスの全員に配られたものだった。
アタシはそれを机の上に放置していたんだけど
どうやら寝ている間に水谷がとったらしい。
その証拠に机の上に紙がない。
「なーに人のテスト成績勝手に見てんだよクソレフト。
プライバシーの侵害で訴えるぞコラァ」
「何で!?見せてっていったらが渡してくれたんじゃん!」
「・・・・・・・・・そーだっけ?」
「そーだよ!!!」
あっはー・・・記憶障害?
いや、絶対寝ぼけてたんだ・・・危ないなアタシ。
この調子だと「お金頂戴」って言われて普通に無言で差し出しそうだ。
「売るせぇよ水谷、大声出しやがって」
「俺だけ!?」
「やぁ阿部に花井じゃないか、今日も一段とお美しい。
とても輝いておられますな。
このままだと私の目はあなた方の輝きで光を失ってしまいそうだ」
「あぁそーかよ。
むしろそのまま言い続けたらお前の光消すからな」
「それって命がなくなるって事?
いやん、家庭内暴力☆」
「コロス!!!」
「落ち着け阿部ーー!
つかよく普通に切り返せんな。
俺は鳥肌たったぞ、全身にくまなく」
「もぉ慣れた・・・」
「あー・・・ご愁傷様」
なんだと!!?ご愁傷様とは何だ!!
慣れるってのはいいことじゃないか!!
そんな哀れみを含んだ目で阿部を見ない!!
阿部もげんなりするのやめれー!!
そんな感じでアタシが心の中で憤慨してたら水谷が思い出したようにハッとなって
一生懸命阿部と花井に話しかけ始めた。
その姿と幼稚園の先生に相手にしてもらいたくて
必死な幼稚園生の姿が重なった事は口に出さないでおこう。
ほら、アタシ優しいから☆
「ちょっ!それどーでもいいから二人ともコレ見て!」
「はぁ?何だよ・・・」
そういって阿部に紙を渡す。
するとそれを見た阿部の動きが止まった。
不思議に思って覗き込んできた花井の動きも止まった。
そうして二人同時に「はぁ!?」と叫びだす。
どうでもいいがかなりうるさい。
おかげで眠気が吹き飛んでしまったじゃないか!!
「うるさいよアンタら・・・ちょっと静かにしなさいな!!」
「出来るか阿呆!!!なっ、何なんだよコレは!!」
「何って・・・アタシの成績表ですが?見えないんですか?
あっ、阿部昨日失明したんだっけ・・・?
ごっ、ごめん・・・無神経なこと言って」
「してねぇぇぇぇぇぇっ!!
お前の頭の中で昨日俺に一体何があったんだよ!?」
「いや、聞かない方がいいかと・・・」
「そんなひでぇの!?」
「阿部っ!止まれ止まれ!!!!
それてるから!!話それてるから!!な!?」
花井にそういわれてやっと落ち着いたらしい阿部は
頭を抱えながらため息をついた。
あぁ、苦労してますなぁ阿部・・・。
まぁほぼアタシのせいですがね!!!
「で?あのーさん?」
「何ですか花井君?」
「この成績表本当にお前の・・・?」
「はい、ワタクシのですがおかしな点でも?」
「ありますよ、ありますとも。
なんで・・・前日まで遊んでたお前がっっ!!!」
バンッ!!
「学年順位10位なんだよ!?」
紙を机に叩きつけて阿部が怒鳴る。
ちなみにその前の台詞は花井のもので
アタシは息の合った二人の行動を見てナイスコンビネーション☆
なんてふざけたこと思ってたわけですが・・・!
何でっていわれてもなー・・・。
いい点数を取るのに理由が必要かい?
・・・・・・・・・あぁうん分かってる、ごめん調子乗った。
「そんなこと言われても・・・。
アタシテストは常にそこらへんウロウロしてますが?」
「「「マジで?」」」
「マジで」
「お前本当は前日以外にも勉強してんじゃねーの?」
「アタシを疑うのたれ目!!
もぉいいわ!アンタなんかつり目になっちゃえ!!」
「うわぁー、なんとなく俺そんな阿部見たくないな。
って思っちゃったよー・・・」
「言うなよ水谷、殺されるぞ」
「お前らなぁっ!!!!」
「さて水谷、分かってるわよね?」
さきほど阿部に殴られた場所がひりひりする。
絶対たんこぶできた・・・絶対たんこぶできた・・・。
女だろうと容赦が無い、それが我らがたれ目キング。
そうして殴られるのはいつもアタシだけ!!!!
最悪だこの人!!!!いつか殴り返す!!!!
この前は優しいって思ったのに・・・!結局いつもと同じ扱いか!
いや!特別扱いして欲しいとかそんなわけじゃっ・・・・!
あぁ、駄目だ!!余計なこと考えないようにしよう!
なんだか頭がオーバーヒートしそうだから。
とりあえずアタシは殴られた痛みを我慢して笑顔で水谷に話しかける。
心なしか水谷の顔色が悪そうだとかそんな事気にしない。
「テスト順位・・・負けたらアタシの言うこと1週間なーんでも
聞くんだったよねぇ?なーんでも・・・」
「あっ・・・あっははぁ〜。
そーいやそんな事もあったような無かったような・・・。
むしろ無いほうがいいような・・・」
「あっははぁ!男に二言は許さないから。
とりあえず、ジュース奢って!!今すぐ。
そーだね、5分以内に戻ってきて?」
「うっ、うわあああああああっ!!」
「いってらっしゃーい!」
「鬼・・・」
「S・・・」
横からなんか聞こえたけど気にしない!
だって約束だからね、破らせませんよ絶対に。
大丈夫、水谷パシリ体質だから!!!
そんな事思いながら成績表をしまおうとすると
花井がそれを素早く奪った。
そしてそれをじっくり見つめる。
・・・・・・やばい、じっくり見られると非常にやばい!!
アタシは自分の危機を感じてそれを奪い返そうとするけど
慎重が足りず・・・伸ばした手は紙にはどかなかった。
するとなにやら納得したらしい花井が呆れた目でこっちを見てくる。
アタシは反射的に顔を背けると窓の外を見て知らないフリをした。
「やっぱり」
「はぁ?何がだよ?」
「おかしいと思ったんだよ、何でこんな各点数はいいのに
順位が10位なのか・・・。
このテストの点数なら普通にもっと順位は上だろ」
「あっ、あぁ・・・そーだな、そーいえば」
「何で点はいいのに順位は下がってるか。
それは、苦手教科が平均点をグッとさげてるからであって・・・
おまえ・・・」
ビクッ
「数学・・・・・・・できないだろ」
「・・・・・・」
ばれた
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