あのクソ女のせいで昨日は散々だった



あの後何とか解放された(もとい逃げた)から良かったものを・・・





彼女と彼と青空と
2*転校生 説得にはスゲェ時間かかった。 つか説得しても無駄だったから撒いて待ち合わせ場所に行った。 ダサい?馬鹿言うなよ・・・怪我して野球できなくなったら嫌だ。 当然待ち合わせには遅刻。 あいつ等には「何してんだよー」とか「遅ぇよ!!」なんて言われる始末。 俺が何をした!?(遅刻しました) 大体元凶はあの女なわけだから俺絶対被害者だろ!! 「あっ。阿部。はよー」 「おぅ・・・」 「あはは、まだ、機嫌悪いんだ」 下駄箱に靴を入れていると栄口に声をかけられる。 不機嫌丸出しの声で返事をすると栄口が苦笑いをするのが分かった。 でも当然だろ? だれだってあんな目にあったら怒りもする。 「あー!腹たつ!!」 「まぁまぁ、落ち着いて。それより田島が昨日教えてくれたんだけどさ  今日阿部のクラスに転校生が来るらしいよ」 「転校生?」 「うん。阿部の隣の席空いてるじゃん?  ひょっとしたら隣転校生が座るかもねー」 「どーでもいい。興味なし」 「言うと思った」と言われたけど反応するのもめんどくさいから別の話題を出した。 教室に着くと「じゃぁ」と言いながら片手を上げる栄口に返して俺も自分の教室に向かう。 教室に入ると既に花井と水谷がいた(早いなこいつ等・・・) その周りには猿みたいに煩いクラスの男子・・・。 大声で何か話してるってことは・・・大方例の転校生の話だろ。 俺はその輪を無視して自分の机の上に鞄を置く。 鞄を置くドサッという音でこっちに気づいたらしい水谷が 締まりのない笑顔でこっちに近づいてきた。 「阿部!はよ!なー阿部知ってる!?  今日さぁ・・・」 「転校生だろ」 「何だ知ってたのか。つか何で阿部そんなクールなわけ?」 水谷に続いて花井も声をかけながらこっちに近づいてくる。 いや・・・何でって・・・そりゃ・・・。 「興味ねぇよ。そんなもん」 「えーー!」と男子からのブーイング。 うるせぇ・・・・。 んだよ・・・興味なくてワリィのか? 「女子だぞ!女子!」って言ってくるやつも居たけど無視してやった。 女子だから何だっつーの。 俺はこの時ばかりはクラスの男子が肉を狙う獣に見えた。 いい加減ブーイングがうるさくてキレかけたその時 丁度のタイミングで担任が教室に入ってきたのでクラスのやつ等が慌てて席に着く。 はぁ・・・やっと静かになった・・・。 内心少しほっとしながら周りを良く見ると皆落ち着きがない。 転校生の事が気になるんだろう。 担任の話を聞きながらも注意はドアの方に向かっている。 「おいおい。先生の話は無視かー?  先生は悲しいぞー?」 「先生!!それより転校生は!!転校生!!」 その一言をきっかけに始まる転校生コール。 ・・・・・・クラスで初めての一致団結? 突然始まった転校生コールに担任も苦笑いを隠せないらしい。 「わかったわかった!落ち着け!  そーだなぁいつまでも廊下じゃかわいそうだからな。  おーい。−!入ってこーい!」 ガラッ 静まり返る教室。 教室に入ってきたのは転校生は噂どおり女子だった。 って・・!? 「あ"ぁ"!?」 静まり返ったクラスで俺の声が響く。 (しまっ・・・!!) 考えたときには時既に遅し。 クラスの奴の視線が転校生から俺に移動している。 「あっ・・・・」 またもや響く声。 今度は俺じゃなくて転校生から・・・。 クラスのやつ等は何事かと俺と転校生を交互に見やっている。 担任ですら何が起こったのか分かってないようだった。 でもそんな事今はどーでもいい。 だって転校してきたその女は・・・・ 「えっ!?ココは俺が何とかする!?ありがとう!!  ごめんね!!助かった!じゃぁ後は任せたよ!!」 昨日のあのクソ女だったから・・・。 back  next