いやアタシも悪いけどさぁ・・・
だからってこれは酷すぎる!!
彼女と彼と青空と
15*コンビニ
あーなんか変な感覚だなー。
空に浮いてるのかな?それとも水の中?
プカプカ、フワフワ...よくわかんないや。
――――いっ、.....ろ
気持ちいいな・・・すっごく。
浮遊感っていうのかな?
何かあったかいものに包まれてるような感じもする。
あっ。ヤバイ。
アタシ今ちょっと幸せかも。
――――おいっ、....きろ
でもどーしてだろ・・・?
――――いい加減...ろよ?
すっごく気持ちがよくて幸せなはずなのに
――――このっ・・・!!
どこか悲しい感じもするんだ。
「お・き・ろって言ってるだろーが!!!」
ゴンッ!!!
「――――――っ!!!!いってぇぇぇぇぇっ!!!!」
「あぁ、やっと起きたか」
「”起きたか”じゃねぇっ!!!
何してくれんのさこの暴力教師!!
今アンタ何して起こした!?」
「何って・・・殴ってだが?」
「地球儀で殴り起こすのは先生ぐらいだよ!!」
ハァってため息をついて改めて周りを見ると部屋の中は真っ暗だった。
って・・・あれ?
アタシ・・・・・・・また寝てた?
あっ・・・あは☆
「もう少しで世界の終焉が見えるところだったな」
「え?それって地球儀砕けるところだったってこと?
あなた一体どんだけ力入れて殴ったの、ねぇ?」
この人クビになってもおかしくないか?
生徒地球儀で殴る教師もそうそういないよ。
てかアンタぐらいだ!!!!
というか・・・・・・アタシいつの間に寝てたの・・・?
えっと、確か阿部が告白されてそんで
掃除開始して・・・ちょっと休憩って座り込んで・・・
あぁ、そっか・・・座り込んだときに寝ちゃったのか。
てことはまだここの掃除終わってない!?
ああああああの今物凄く空黒いんですね!!
夜なんですね!!!
だけど私掃除終わってないんですよ!!!
どーしよう!アタシまだ残って掃除しなきゃなの!?
嫌な考えを持ちつつ伺うようにして担任の顔を見ると
下を向いているみたいで表情が見えない。
・・・・?
なに考えてるんだろ・・?
しばらくそうしていると担任が顔を上げて
じっとアタシの顔を見てから一瞬困ったような顔をした。
なぜ人の顔をみて困るんだコラ
そうした後に少し微笑みながら言った言葉はアタシの予想外の言葉だった。
「よしっ、
お前今日はもぉ帰れ」
「・・・・・・・・え?いいんですか?」
うなずく担任を見てだんだん気分が晴れてくる。
そっかぁ、かえっていーのかぁ!!
やったー!!掃除しないで済んだー!ラッキー!!
こんなの寝てて正解じゃん!!
「わかりましたー!!じゃぁ帰りまっす☆」
意気揚々と鞄を持ち上げて出て行こうとすると
担任が思い出したような顔をして物凄い笑顔をこっちに顔を向けた。
「あっ、今日出来なかった分は明日やってもらうからな?」
ぬかりねぇ・・・!!!
校門を出てから大きく伸びをする。
夜の空気は少し冷たくて・・・でもその冷たさが気持ちよかった。
さてと・・・このまま家に帰るのもいいけどコンビニでも行こうかな?
紅茶とあとチョコレートもほしいな・・・。
あっ。明日弁当じゃなくってパン持って行こう!
じゃぁ一緒にカフェオレも買って・・・。
弁当・・・か・・・。
そーいえば阿部にフラれたあの女の子泣いたのかな?
泣いたよね。
だって好きだったんだもんねー。
阿部も断るなんてもったいないことしたものだよ。
断ったんだよね・・・?阿部・・・。
でもいつか誰かにOKしちゃうのかな?
うぅ?何かアタシ変だぞ?どーしたんだろ・・・。
「いらっしゃいませー」
コンビニに着いてかごを持つ。
入る前は外の暗闇と中の明るさのあまりの差に少しだけめまいがした。
次々と目的の品をかごの中に入れていく。
うぉぉう・・・抹茶オレも捨てがたい・・・!!!
あー駄目だ・・・ここに来るとついつい買いすぎてしまう!!
物は高いのになぁ、不っ思議。
コンビニマァジックだわね!!
あっ!!アタシ気が着いたらプリンを手にとっている!?
くっそぉやるなコンビニマァジック!!油断した!
いかんいかん!!これ以上買う前にここをでよう!
そう決意してちゃっかりプリンをかごに入れつつレジに向った。
「ありがとうございましたー」って言葉を背に受けて
店を出ようとすると、丁度人が入ってきたところで
あやうくぶつかりかけた。
あっぶなー・・・もぉ誰だよアタシの行く手を阻むヤツは。
「って、阿部・・・・?」
「あ?何だか。お前何でこんな時間に制服なんだよ」
「アタシで悪かったなこのタレ目。
いや、授業中居眠りしてたらアタシの華麗な蹴りが
担任にヒットしてさぁ・・・」
「あぁーしてたな。そーいや」
「そーだアンタ隣の席じゃん!!」
「気づくの遅っ!!で、何?
それに担任が怒って居残りさせられたとか?」
「えぇ!?何で分かるの!?エスパー!?」
「普通に分かる」
入り口は邪魔だからって外に移動したアタシたちは店の前で話し合ってます。
驚きだね!
この人すぐに帰るのかと思った!!
「もぉ最悪!!掃除させられたんだからねー!!」
「へぇ、どこの?」
「えっと社会科あーっおっとっとっとおぉいえぃ!!!!!」
危機一髪!?
社会化準備室掃除してたなんて知られたら告白聞いてたのがばれる・・・!!
でもあれは仕方ないことなんだよ!?
だけどこれ言っちゃったら確実にアタシ明日の朝日拝めないから!
「なに!?いきなりキモイ声出すなよ!!」
「ききききもい声って言うな!!!
ちなみにアタシが掃除してた場所は理科準備室ですから!!
薬品とかあって危なかったんですから!!」
「いや、お前落ち着け!頼むから!!キモイから!!」
「今の台詞のどこにキモイ要素が!?」
なんか存在自体をキモイとののしられたような屈辱だ!
・・・・・・・あれ?ひょっとしないでも
この人私の存在自体がキモイと仰ったのか?
あっはっはっは!!・・・・・・・はぁ・・・。
涙をのみながら阿部の顔を見ると阿部は
驚いたような顔をして、一瞬固まった。
どいつもこいつも人の顔見て・・・・!!!
「は・・・?お前・・・泣いたの?」
「はぁ?何いって・・・」
いやいや阿部さん私がいつ泣きました?
泣いてない泣いてない。
というか泣いた記憶すらありませんけど!?
「うっすらだけど、泣いたあとがある」
「え?どこ?」
「右」
鏡を取り出して見ると本当にうっすら涙のあとがついてた。
え?は?ちょ・・・アタシ・・・泣いたの・・・?
でも、いつ・・・?
そう考えて思い当たったのは担任。
あの時担任も何か考えるような仕草してたけど
それってこのあとを見たから・・・?
じゃぁあたしが泣いたのは・・・寝ながらってこと?
おいおいおいおい!
意味が分からないんですけど!!
何でアタシ泣いたの!?
ちょっ!誰かー!!ヘルプ!!ヘルプ!!!
「アタシ・・・泣いたんだ」
「知らなかったっていうのもどーだよ」
「いや、だって多分寝てたときに泣いたんだと思うから。
全く覚えてないんだよねー。
アタシ泣くような夢見てない気がするんだけどなぁ・・・」
「夢?
おい、。お前掃除してたんじゃなかったか?」
「うわっはっはっはっは!!
気にするな!!気にしたもの負けだよ阿部!!」
「ふーーーーーーーーーーん」
「ずいぶんと長いふーんですなぁ!!」
そっこまで伸ばすか普通!
嫌味に聞こえる!!見下されてる感がある!!
キー!!むかつくよーこの人ー!
もぉ星に帰ってしまえばいいとおもうよ!!
「まぁ夢だから気にしないでよ。
アタシはこの通りお気楽だからさ!」
「それもそーだな」
「そんなにあっさり肯定されるとすっごい腹立つんですけど!!!」
心配してくれたんじゃないんかい!!
ムカついたから軽くすねを蹴って逃げてやった。
後ろでうずくまってるヤツはとても小さき者よのぉ!
なんと!震えておるではないか!
プッ。オモシロ。
走り出した瞬間後ろから怒声が聞こえた
あはははは!!
明日学校行きたくねぇー!!!!
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